混沌の渦(怪我が治らない)
 
書き捨て御免で突っ走ります
 



設定についての持論?

 先日の話の続きでちと思い出したのですが、昔々TRPGやっておりまして聞いた話なのですが、某ソードワールドで酒場に入ったら精霊使いの連れていた精霊が急に消滅したとか。驚いているとマスターが勝ち誇ったような顔で(←勝手なイメージです)「この宿屋では魔法が一切使えないのだ!」と言い放ったとか。
 どこの馬小屋だけがやたら大きい宿屋なのかと(←古いゲームネタ:追記ですが、幾つかのシリーズでは魔法が使える宿屋もあるとか)
 マスターとしては奇をてらったつもりだったのでしょうが、プレイヤーは驚く以前の問題だったことでしょう。
 一応、ルール上はともかく、ゲーム的には精霊使いにとっての精霊は(半ば魔法で縛っているとはいえ)友達や仲間です。まぁ、道具として扱っている精霊使いだっているでしょう、とかそーゆーのは抜きにして。

 さて、ここでこの酒場の存在を考えてみましょう。
 まず一つ。魔法という存在が一部の人の物だとしても、それなりに普及している世界です。精霊使いという存在も決して多くはありませんし、この酒場が冒険者を相手にしていると仮定するなら利用する可能性はそうも低くありません。精霊を連れて歩ける精霊使いというのはルール上、初心者から抜け出した中級者の頭くらいの実力です。それなりに危険も経験しているでしょう。
 一度でも「引っかかった」精霊使いは二度と入ることはないでしょうし、中で魔法が使えないということで何かしらの不便を被った魔法使いだっていることでしょう。
 この宿屋の主人が何を考えてそうしたのか不明ですが、少なくとも魔法を使えない一般人相手の商売ではない、と考えるとこの宿屋のことはあちこちで話題になるのではないでしょうか? 少なくとも自分の知っている精霊使いがいたとしたら注意する事は考えられます。
 そんな宿屋の事を何かで聞いたとして、それをわざわざ試す冒険者のパーティがどれくらいいるでしょうか?

 その二。この「魔法が一切使えない」というのはどれくらいの範囲なのでしょうか?
 精霊だけじゃなく、魔法使いが作った使い魔も消えてしまうのでしょうか? 魔法のアイテムは発動しないだけでしょうか? それともアイテムの魔力が失われてしまうのでしょうか? 魔法に準する特殊能力はどこまで発動できるのでしょうか? 魔法生物は存在できるのでしょうか?
 その辺がはっきりしないと「何ができる・何ができない」がわかりません。

 その三。その「魔法が一切使えない」という効果は何による物でしょうか?
 建材? 壁に書いた模様? 魔法のアイテム? 特殊な呪文? ハーブとか薬品とかそーゆーもの?
 おそらくこのマスターは軽く考えていたのかもしれないでしょうが、魔法が使える世界で「魔法が一切使えない場」というのはどれくらいの価値を持つことでしょう。
 特殊な牢獄。暗殺を恐れる有力者。戦いにおける戦術。魔法生物に対する強力な武器。古代の魔法使いの強力な魔法の仕掛けだって簡単に解除できるのかもしれません。
 それをそこら辺の一介の宿屋の主人が持てるものなのでしょうか?
 その技術を狙う者はまったくいないのでしょうか?

 そこまで考えるとこの「魔法が一切使えない宿屋」というのがいかに「危険」な設定だとは考えられないでしょうか?
 変な話「魔法の呪文を唱えようとすると、どこからともなくシュークリームが口の中に飛んできて呪文が唱えられなくなる宿屋」の方が意味があるかどうかは別としてまだ「使える」設定となるでしょう。

 そういやぁ、過去に「魔法が一切効かない鎧」というのを考えたときに、知人にどうしたらいいかアイデアを求めたことがありましたが、そうしたら「魔法が飛んできたら正反対の魔法を打って相殺する」というアイデアをもらいました。欠点として、その鎧を着ている人がその「正反対の魔法」を使ったかのように消耗するのですが(笑)
 これだってある意味「ルール」がきちんと定まっているわけで。

 奇をてらった設定を考えるのは簡単です。ただそれを「使える」設定に調整する必要があります。
 別にそれを公表する必要はないのですが、ただ決めておかないといずれ破綻するでしょう。
 ちょっとだけ「どうして?」「どうなる?」を考えるだけで、設定は生きてきます。
 いませんでしょうか? 年も若く勉強している様子や海外に行った経験も無いのに数カ国語がペラペラだとか、誰にも習っていないで独学だけで色んな国の料理をいとも簡単に作ってしまうとか。
 才能と知識の蓄積や経験がゴッチャにしてしまった例でしょうか?
 これもちょっと「どうして?」を考えるだけでどうにかなるはずです。

 もし、本当にそういう設定なら、何かしらの「理由」があってしかるべきでしょう。「何となく」ですまされる部分とすまされない部分に目を向けてみるのはどうでしょうか?



7月27日(日)22:16 | トラックバック(0) | コメント(0) | 財油教授のエセ○○講座 | 管理

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