混沌の渦(怪我が治らない)
 
書き捨て御免で突っ走ります
 



2005年11月21日を表示

因果律

 なんて立派な話じゃないですが、物事には必ず「理由」があります。つーかなきゃ困ります。いつかの嘘の限界にも話がかぶりますが、今回はその辺の話を。

 こー よくRPGとかでレイピア(刺突剣)とプレートメイル(全身板金鎧)が一緒に出てくるのは変! と主張する人がおります。
 確かにレイピアのような小型の剣でプレートメイルを貫くとは思えないですし、鎧の隙間を狙った~ みたいなことが実際に出来たかどうか。
 というか、時代が全然違うのですよね、この二つは。
 プレートメイルが元々馬上用の騎士が使うもので、これを来て地面に立ってブンブン剣を振れるような代物ではなかった、という話です。
 そして銃器が発明されて、プレートメイルの装甲を厚くしたところで銃弾に敵わなくなって、重いだけの鎧が衰退し「剣術」というものが考え出された頃に発達したのがレイピアなわけです。
 これが「理由」というものです。

 また別の例として、ファンタジーで魔法が発達した世界があるとしましょう。
 ほとんどすべての人間が魔法を使えて、それも単一の能力ではなく、融通性のある能力だとします。治癒魔法なんて物もありますから、よほどの悪条件で無い限り、怪我しても助かることが多いでしょう。
 さて、こういう世界で外科手術を始めとする医療技術が発達するでしょうか? 医療施設に行けば、モヤモヤと魔法で傷や病気が治ります。ありふれた技術なので、いよいよになったら隣のおじさんも簡単な治療魔法が使えるのかもしれません。魔法の技術が発達しているので、科学技術は必要なくなるのでしょう。まぁ、確かに変わり者がいて、科学を研究する人もいるでしょうが、それは決して世界のスタンダードになることはありません。
 逆にそーゆー科学技術が発達した所があるなら、きっとそこには必ず何らかの「理由」があるはずなのです。古代文明のサルベージをしているとか、その土地では魔法が使いづらい秘密があるとか。

“ただ何となく”異常がある、というのは矛盾を生じさせます。
 たとえば世界規模の力がある大企業とはいえ、下で働く人間と、その企業にお金を落とす人達がいてこそ成り立ちます。そういう人達をないがしろにするような事をしてれば、いずれ崩壊します。
 こー 自分的に凄い斬新な設定を思いついたとしても、それが世界に対し矛盾した存在なら、遠からず無くなってしまいますし、それが日常に溶け込むことはあり得ないわけです。まぁ、それこそそーゆー一番大きな「矛盾」を受け入れた、ってことを前提にした話もあるわけなのですが。
 でもそれがご近所レベルならともかく、広い範囲に適用させようとするならいずれその売りにしたいはずの設定に首を絞められることになります。

 必要なのはちょっとした想像力と知識。
 別にそんな難しい話ではないと思いますが、活字離れしているとキツいかもしれません。自称でも「物書き」ってことをするなら、貪欲に知識を得るようにしましょう。その肥やしがいずれいずれ素晴らしい物語を生み出すはずです。



11月21日(月)22:20 | トラックバック(0) | コメント(0) | 天唾噴飯 | 管理


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