混沌の渦(怪我が治らない)
 
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2005年11月7日を表示

科学:冷凍ビームを作ろう2

 起立ー 礼ー 着席ー

 前回は「冷凍ビームが出来ない」という話で結論がつきました(ついてねーよ)
 そんなわけで今日は「エントロピー」の話を。
 エントロピーというのはこー概念が難しいのですが「乱雑さ」ということがあるでしょうか? こー 物が散乱している部屋を想像して下さい。労力を用いて整理整頓しようとしても、気づくと部屋はまた散らかってしまします。
 これがエントロピー!(何がなにやら)

 真面目な話をしましょう。
 よく「ぬるま湯」でたとえられるのですが、100度のお湯と0度の水が同量あったとします。これを混ぜると容易く50度のぬるま湯になりますが、じゃあこれを元のお湯と水に分けられるか。
 全体を見ると(混ぜる労力は無視して)外部からのエネルギーの出入りが無いので、エネルギーの総量は変わりありません。でも湯+水→ぬるま湯は出来ても、その逆には大変な労力が必要です。なぜでしょう?
 温度、というのは原子・分子の運動の活発さです。
 激しく動けば高温、ゆっくりなら低温です。それでも全て一定速度ではなく、ランダムな速度で動き回っているのを全体的に見るとある一定の温度に見えるわけです。
 じゃあ、ぬるま湯をお湯と水に戻すには、その水分子の速い物をこっち、遅い物をこっち、とより分けなければなりません。そーゆーことが出来る「マクスウェルの悪魔」って人がいますが、人間には扱えない存在なので(笑)

 この場合、お湯と水の時に比べて、ぬるま湯は「エントロピーが増加している」と言います。エントロピーは物質・状態が整列?(秩序?)しているほど低く、乱雑で無秩序としている程高くなるます。
 温度が高い物から低い物へ、つまり自然はエントロピー増大の方向に進むようになっている、つーのが熱力学の第2法則で触れられていることです。
 ちなみにこれを空気で考えて、間にピストンを置いたとすると、温度差の違う空気は「仕事」が出来ますが、温度が同じになると「仕事」が出来なくなります。つまり仕事をする事によってエントロピーが増大する、とも考えられます。

 閉鎖系ではエントロピーが増大する、と触れられています。
 冷蔵庫は確かに物を冷やす(エントロピー減少)ですが、外部からのエネルギーが必要で、しかも冷やす以上に熱が出ているので、結局の所全体ではプラスになってしまいます。
 この閉鎖系の考え方は宇宙全体に広がるので、宇宙はエントロピー増大の方向に常に進んでいます。
 じゃあ、エントロピーが最大限に増加したとしたら?
 実はこれを「熱死」といい、全ての物質が同じ状態・同じ温度になってしまって、それ以上何も反応が進まなくなる停止状態になります。まー 何兆年後か知りませんが、とりあえず心配するような話じゃないですね。

 そんなわけで、前回触れた「冷凍ビームが出て、反対側からエネルギー」はこの熱力学の第2に法則に反する「永久機関」と考えられます。ちょっとばかり難しいですねー
 今存在する「仕事をする機関」の効率が100%にならない理由の多くは摩擦熱などによる熱の発生です。「熱はエネルギーの墓場」と言われますが、熱というのはエネルギーとして質が悪いものなのです。
 まー たしかに100度の空気をどれだけ集めたところで100度以上にはならないあたりが不便なわけで。

 ということで、人間の脆弱な肉体ではエントロピーの増加に対抗するのは不可能なので、部屋が散らかるのはしょうがない、というオチを付けて今日はこの辺で。



11月7日(月)11:18 | トラックバック(0) | コメント(0) | 財油教授のエセ○○講座 | 管理


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